『れきナビ―やしお歴史事典』:旧版:近代の八潮(20221213版)
近代の八潮〔きんだいのやしお〕の概要は以下の通り。
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文政12年(1829年)~ 人口の推移
※明治9年(1876年)は7,141人。
目次 |
時代区分の近代と年表
時代区分の「近代」の始期と終期については、『れきナビ』(本サイト)では次の通りとする。
- 近代の始期=明治元年(慶応4年、1868年)
- 近代の終期=昭和20年(1945年)8月15日(終戦)
- ※『八潮市史 通史編2』を踏襲。
埼玉県の誕生と三村の成立
市域20か村は、慶応4年(1868年)7月に武蔵知県事〔むさしちけんじ〕の管轄となり、明治2年(1869年)からは小菅県〔こすげけん〕に属した。明治4年(1871年)11月14日、埼玉県が誕生し、以来市域は埼玉県に属している。
明治17年(1884年)、連合戸長役場制が実施され、市域に三つの連合が成立した。
- 松之木村連合:八條村・鶴ケ曽根村・小作田村・松之木村・伊草村・立野堀村(現草加市稲荷)
- 伊勢野村連合:二町目村・木曽根村・南川崎村・伊勢野村・大瀬村・古新田・垳村
- 上馬場村連合:上馬場村・中馬場村・大原村・大曽根村・浮塚村・西袋村・柳之宮村・南後谷村
明治22年(1889年)、市制・町村制施行(明治の大合併)により三村が成立した。
明治21年(1888年) 地目別面積
※約6割は田。
★詳細は下記参照
- 「明治前期の八潮の歩み―三村の成立まで―」
- 「三村の成立(明治の大合併)」
- (参考文献)『村人たちの御一新』
- 同『近代日本の成立と八潮』
地方改良運動と潮止村の模範村選奨
日露戦争後、内務省は町村の財政基盤の強化などを目指して地方改良運動を推進した。明治44年(1911年)、潮止村が模範村として内務省から選奨された。
★詳細は下記参照
- (参考文献)『八潮市の文化財ガイド』
- 同『田中四一郎―自治の権化と呼ばれた男』
明治43年(1910年)の大水害と中川の改修
明治43年(1910年)の関東大水害では、市域(三村)も大きな被害を受けている。
大正15年(昭和元年、1926年)2月、潮止村大瀬付近で曲流していた中川を直線化する新水路が完成した。
明治43年(1910年) 絵はがき(綾瀬川堤防決壊)
★詳細は(参考文献)『記憶をつなぐ カスリーン台風と八潮』参照
煉瓦工場と染色業
市域は煉瓦の原材料である荒木田土〔あらきだつち〕に恵まれており、東京近郊で水運の便が良いこともあって、大正時代になると煉瓦工場が進出した。
近世以来の地場産業である染色業は、大正時代を境に、長板中型よりも効率的な注染〔ちゅうせん〕が中心となった。
注染浴衣
※資料館常設展示
★詳細は下記参照
- 「商工業」
- (参考文献)『八潮市の文化財ガイド』
- 同『八潮のものづくり』
戦争(出征者と空襲)
明治以降の戦争では、市域からも多数が出征している。昭和6年(1931年)の満州事変以降については、592人の出征と326人の戦没が判明する。昭和17年(1942年)4月、初めての日本本土空襲があり、煉瓦工場があった潮止村古新田にも爆弾が投下された。その後の空襲では、市域でも死傷者が発生している。なお、都会から市域に疎開してきた人もいた。
★詳細は下記参照
- (参考文献)『近代日本の成立と八潮』
- 同『戦火に生きる』
小学校
市域では明治6年(1873年)以降相次いで小学校が開校している。明治19年(1886年)、小学校が統合されて3校となった。その後一時5校となったが、明治末から終戦までは3校(三村各1校)であった(終戦時は「国民学校」)。
★詳細は「学校(小中高校)」「学校年表(小中高校)」参照
参考文献・ホームページ
- ※本文の典拠として特に重要なもの、および参照先として示した文献に限定した。
八潮市立資料館刊行物
- 展示パンフレットなど
- 『第31回企画展 八潮のものづくり』(2014年)
- 『戦後70周年平和記念事業 第34回企画展 戦火に生きる 兵士、女性、そして子どもたち』(2015年)
- 『第38回企画展 記憶をつなぐ カスリーン台風と八潮』(2017年)
- 『第40回企画展 明治150年記念展示1 村人たちの御一新―幕末・維新の八潮地域―』(2018年)
- 『第41回企画展 明治150年記念展示2 近代日本の成立と八潮』(2019年)
- 『開館30周年記念 第43回企画展 田中四一郎―自治の権化と呼ばれた男』(2019年)
- 八潮市史編さん物
- 『八潮市史 通史編2』(1989年)
- その他の資料館刊行物
- 教育総務部文化財保護課企画・編集『八潮市の文化財ガイド』(八潮市教育委員会、2009年)4ページ
- 教育総務部文化財保護課企画・編集『八潮市の文化財ガイド』(八潮市教育委員会、2019年)4、27~28ページ
その他
- 「角川日本地名大辞典」編纂委員会編『角川日本地名大辞典 11 埼玉県』(角川書店、1980年)1159ページ
関連項目
- ☆このページの令和2年(2020年)6月26日版(初版)はこちら