『れきナビ』講座:くずし字にチャレンジ! 名主
提供:『れきナビ―やしお歴史事典』
近世の村の長である名主の交代に関する文書を取り上げます。
- ※資料番号の「濱野昭家[1]」は八潮市立資料館寄託上馬場濱野昭家文書、「大曽根村」は資料館所蔵大曽根村文書(豊田家文書)。
- ※=「八潮市立資料館デジタルアーカイブ」の資料詳細画面へリンク
目次 |
嘉永6年(1853年)上馬場村名主交代願
- ※同年6月のペリー来航から間もない9月の文書です。
- 翻刻:こちら(PDF)
- 解説:上馬場村名主の濱野弥左衛門の引退と、息子の弥右衛門(弥吉が改名)を後任とすることについて、両名と24名の村人たちが代官所に願い出たものです。弥右衛門を名主に推挙する理由として、「実体」(実直)で「算筆」(計算することと文字を書くこと)もできることが挙げられています。上馬場村の名主は2名いて、濱野家は本田(本村)の名主を世襲しました。
- ※濱野家と弥右衛門(忠義〔ただよし〕)については、「上馬場濱野昭家文書#濱野昭家」参照
- ※文政12年(1829年)の上馬場村の家数は26軒。→「近世の八潮#領主・石高・高請地反別・家数・人口一覧表(市域20か村、「八条領村鑑」)」参照
参考 「八潮市立資料館デジタルアーカイブ」の名主交代関係文書
- 濱野昭家36 文政10年(1827年) 上馬場村名主後任につき願書(濱野弥兵衛→弥左衛門) ※『八潮市史 史料編 近世1』史料82。
- 大曽根村163 文政11年(1828年) 大曽根村村方書類引継目録(元名主嘉左衛門→名主豊田佐五右衛門〔さごえもん〕)
参考文献・ホームページ
八潮市立資料館の刊行物など
- 八潮市史編さん物
- 『八潮市史 通史編1』(1989年)633~636ページ
- 『八潮市史 通史編2』(1989年)33~34ページ
- 『八潮市史 史料編 近世1』(1984年)史料82
- 『八潮市史 史料編 近世2』(八潮市役所、1987年)史料38
- 遠藤忠「東武蔵中部地方の算家系譜」(『八潮市史研究』創刊号、1978年)
- その他
- 工藤航平『近世蔵書文化論―地域〈知〉の形成と社会』(勉誠出版、2017年)第6章
関連項目
- ☆このページの令和4年(2022年)4月3日版(初版)はこちら
- ↑ 濱野昭家の「濱」は、正しくは異体字の「」(Unicode:U+6FF5)です。この字は、オペレーションシステムなどの環境により正しく表示されない可能性があるため、本文では正字体の「濱」(常用漢字は「浜」)で表記しています。