稲荷前
提供:『れきナビ―やしお歴史事典』
稲荷前〔いなりまえ〕は、『八潮町八條全図』に見える地名。現在の八潮市大字新町北部(草加市稲荷・青柳の東)に位置し、草加・八潮工業団地の区域に含まれる。
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地図
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大字・小字図(『八潮町八條全図』等) 八潮村の成立と境界変更(八潮市域確定)の図
- ※その他の地図については、「大字・町名」や「地図・絵図・航空写真にみる八潮周辺の変遷」参照
『八潮町八條全図』にみる「稲荷前」
丸山清編『八潮町八條全図』(東日本測図社、昭和42年〈1967年〉)によると、「稲荷前」は、八條地区の西部、草加市との境に位置する。「稲荷前」周辺(八條用水の西)は、「稲荷前」と大字八條・小作田・松之木・伊草の地が入り組んでいる。
- ※『八潮市史 史料編 近世2』第3章第3節3に写真が掲載されている村絵図によると、現新町付近の八條用水と葛西用水に挟まれた地には数か村(現草加市を含む)の入会地が存在。
昭和42年(1967年)6月八潮町・草加市境界変更と「稲荷前」
昭和42年(1967年)6月1日、八潮町と草加市の境界が変更された。八潮町に編入された区域が属していた地名は、草加市稲荷町字用水東、青柳町字大広戸、柿木町字山東・山西である。
- ※境界変更の詳細は「新町」参照
『八潮町八條全図』には境界変更が反映されており、「稲荷前」は旧草加市と推定される。
大字新町の成立と「稲荷前」
昭和43年(1968年)9月1日、大字新町が成立し、「稲荷前」の地は新町となり、新町となった区域の小字は廃止された。なお、埼玉県告示には、新町を設置する区域の地名(八潮町)が挙げられており、大字稲荷町字用水東、大字青柳町字大広戸、大字柿木町字山東・山西が旧草加市に相当するが、「稲荷前」という地名は見えない。
- ※新町成立の詳細は「新町」参照
『八潮町八條全図』(分割図)の「立野堀」(現新町南部)
『八潮町八條全図』の分割図によると、現新町南部の草加市境の地には、「立野堀」と記載されている区画が存在し、地番は827~830である。
- ※『八潮町八條全図』は、全体図の記載と分割図の記載が一致しない場合がある。該当箇所は、全体図によると、大字松之木として示されている。
立野堀は、稲荷町の旧称である。境界変更の自治省告示によると、草加市稲荷町字用水東827の2・828・829・830の2~4が八潮町に編入されている。この地が『八潮町八條全図』(分割図)の「立野堀」に該当するのであろうか。
参考文献・ホームページ
- 丸山清編『八潮町八條全図』(東日本測図社、1967年)
- 『埼玉県市町村誌 第2巻』(埼玉県教育委員会、1972年)156、161ページ
- 『埼玉県市町村誌 第17巻』(埼玉県教育委員会、1979年)240~242ページ
- 『八潮市史 史料編 近世2』(八潮市役所、1987年)第3章第3節3
- 昭和42年(1967年)5月18日自治省告示第100号「市町の境界変更」(『官報』第12124号)
- 昭和43年(1968年)8月31日埼玉県告示第755号「南埼玉郡八潮町における字の区域変更及び町の設置」(『埼玉県報』号外)
(清水正彦)
関連項目
- ☆このページの平成27年(2015年)11月7日版はこちら
- ↑ 国土地理院の地図を使用している画像について:「この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の5万分の1地形図および2万5千分の1地形図を複製したものである。(承認番号 平23情複、第664号)。この地図を複製する場合には、国土地理院の長の承認を得なければなりません。」という文言を画像に挿入しています。