『れきナビ―やしお歴史事典』:旧版:『れきナビ』講座:くずし字にチャレンジ! 幕末・維新(20220804版)
提供:『れきナビ―やしお歴史事典』
- ※資料番号の「大曽根村」は八潮市立資料館所蔵大曽根村文書(豊田家文書)、「高橋義一家」は資料館寄託大瀬高橋義一家文書、「濱野昭家[1]」は資料館寄託上馬場濱野昭家文書。
- ※=「八潮市立資料館デジタルアーカイブ」の資料詳細画面へリンク
目次 |
元治元年(1864年)大山参詣につき番所通行手形
- 出典:常設展示 大曽根村87 「差上申一札之事〔さしあげもうすいっさつのこと〕」
- 画像:
- ※翻刻は『八潮市史 史料編 近世1』史料151にも掲載。
- 備考:
- 平成30年度(2018年度)初心者のための古文書講座「幕末・維新期の古文書を読む」で読んだ資料です。
- 包紙を含む大曽根村87の画像→
- 旅についてはこちら
慶応4年(1868年)五榜の掲示改正第三札(キリシタン・邪宗門禁止)
- 出典:高橋義一家346 (抄)
- 画像:
- 翻刻:こちら(PDF)
- 解説:五榜〔ごぼう〕の掲示は、慶応4年(1868年)3月に新政府が「太政官」〔だじょうかん〕の名で出した5枚の高札です。画像(翻刻)は、キリシタンと邪宗門を禁止する五榜の掲示第三札の文言です。「三月」とありますが、閏〔うるう〕4月に改正された条文です。
- 備考:
- 平成30年度(2018年度)初心者のための古文書講座「幕末・維新期の古文書を読む」で読んだ資料です。
- 高橋義一家346には第一札もありますが後欠です。
- 濱野昭家1885 「王政御一新ニ付御触書并〔ならびに〕御取締筋御口達〔くたつ〕御請印〔うけいん〕帳」には、高札に関する新政府の指令があり、五榜の掲示も記載されています。→
- 高札として残されている第三札の例として、『村人たちの「御一新」』9ページに、草加市立歴史民俗資料館所蔵資料の写真が掲載されています。
明治2年(1869年)小菅県「示書」(法令集)《抜粋》
- 出典:濱野昭家1884 「御示書 全」 (抄)
- 画像:こちら(PDF)
- 翻刻:こちら(PDF)
- 解説:小菅県〔こすげけん〕が木版刷で頒布した冊子で、県民が遵守すべき法規を示した法令集です。冒頭に「王政御一新ニ付」とありますが、内容は近世の五人組帳前書〔ごにんぐみちょうまえがき〕を踏襲したものと言えます。
- 備考:
明治2年(1869年)天皇誕生日等休日につき廻状
- 出典:濱野昭家1894A 「御一新ニ付御布令之趣村役人小前共心得方請印帳」 (抄)
- 画像:
- 翻刻・読み下し文:こちら(PDF)
- 解説:明治天皇の誕生日(天長節、「今上御誕生日」)である9月22日と、先代孝明天皇の命日(「先帝御忌日」)である12月25日について、休日にするようにという内容の小菅県役所からの廻状〔かいじょう〕(村々に回覧された文書)が写されています。当時は旧暦で、明治6年(1873年)の太陽暦導入に伴い、明治天皇誕生日は11月3日、孝明天皇命日は1月30日に変更されています。
- 備考:濱野昭家1894A全体の画像→
明治3年(1870年)小菅県褒賞状(上馬場村名主弥右衛門)
- 出典:濱野昭家621 (抄)
- 画像:
- 翻刻:こちら(PDF)
- 解説:小菅県から上馬場村名主弥右衛門〔やえもん〕(濱野忠義〔はまのただよし〕)への褒賞状で、紬〔つむぎ〕1反を下賜されています。褒賞の理由としては、「御一新以来」法令などの村民への周知が行き届いて村治が良好であり、特に凶作への処置が時宜を得ていることが挙げられています。なお、弥右衛門は本田(本村)の名主で、新田の名主作右衛門〔さくえもん〕は木綿1反、組頭以下は米を下賜されています。
- 備考:
- 平成30年度(2018年度)初心者のための古文書講座「幕末・維新期の古文書を読む」で読んだ資料(『八潮市史 史料編 近代1』口絵)と同内容です。
- 【関連文書】(一部) 濱野昭家1881 「御褒美頂戴御請印帳」→
明治3年(1870年)小菅県触元役苗字御免につき請書
- 出典:資料館寄託 濵野昭家53 「諸事控覚帳 全」 (抄)
- 翻刻:こちら(PDF)
- ※『八潮市史 史料編 近代1』史料7「諸事控覚帳」、『新編埼玉県史 資料編19』資料25「小菅県触元役名簿及び俸給」にも掲載。
- 解説:明治3年(1870年)3月30日付の文書で、苗字(名字)御免(苗字を公称することを許されること)となった小菅県の触元役〔ふれもとやく〕一同が、謝意を表して御用を大切に務めることを誓約しています。触元役の地名を見ると、現在の東京都・埼玉県・千葉県にまたがっています。八潮市域の村々が属した八條領組合の触元役は、川崎村の佐藤平治郎と上馬場村の濱野弥右衛門です。
- ※触元役は、明治2年(1869年)に設置され、法令を村々に伝達する役割などを担いました。濱野弥右衛門は、明治3年(1870年)3月29日に、後谷村増次郎の後任として触元役に就任しました。
- ※明治3年(1870年)9月、平民の苗字使用が許可されて、苗字は特権ではなくなりました。
- 備考:
「くずし字にチャレンジ!」の別ページにある幕末・維新期の文書
- 嘉永6年(1853年) 上馬場村名主交替願→「くずし字にチャレンジ! 名主」
- 嘉永7年(1854年) 大曽根村八幡宮祭礼相撲興行願→「くずし字にチャレンジ! 寺社」
- 安政3年(1856年) 金子借用証文→「くずし字にチャレンジ! 借金証文」
- 安政6年(1859年) 大雨出水御救につき旗本森川役所申渡請書→「くずし字にチャレンジ! 災害」
- 文久元年(1861年) 落鳥一件願書→「くずし字にチャレンジ! 鷹場・小松菜」
- 元治元年(1864年) 大瀬村近郷村名→「くずし字にチャレンジ! 村名(手習書)」
- 慶応元年(1865年) 慶応改元記事(大瀬村御用留)→「くずし字にチャレンジ! 改元」
- 慶応元年(1865年) 鷹場法度→「くずし字にチャレンジ! 鷹場・小松菜」
- 慶応4年(1868年) 大瀬村年貢皆済目録→「くずし字にチャレンジ! 年貢」
参考文献・ホームページ
八潮市立資料館の刊行物など
- 展示パンフレットなど
- 『村人たちの「御一新」―幕末・維新の八潮地域―』(2018年)
- 八潮市史編さん物
- 『八潮市史 通史編2』(1989年)第5編第1章第2節
- 『八潮市史 史料編 近世1』(八潮市役所、1984年)史料151
- 『八潮市史 史料編 近代1』(八潮市役所、1981年)口絵、解説17ページ、史料7
- その他の資料館刊行物(配布物)
- 「古文書から探る八潮の歴史」(八潮市立資料館、2020年) ※PDFはこちら
その他
- 朝尾直弘・宇野俊一・田中琢[2]編『角川 新版 日本史辞典 第5版』(角川学芸出版部、2007年)
- 国史大辞典編集委員会編『国史大辞典』(全15巻・17冊、吉川弘文館、1979年~1997年)
- 埼玉県編集発行『新編埼玉県史 通史編5 近代1』(1988年)54~56ページ
- 埼玉県編集発行『新編埼玉県史 資料編19 近代・現代1 政治・行政1』(1983年)7ページ、資料25・26
- 東京都葛飾区編集発行『増補 葛飾区史 上巻』(1985年)913~918ページ
- 『広報やしお』第279号
- 国立国会図書館ホームページ「日本法令索引〔明治前期編〕」